そもそも椅子は合いません。
と、いきなりこんなタイトルで始まりました。
家具コラム第5弾になります!!
今回のテーマは椅子の選び方編です。
合わない椅子の特徴と合わない理由
知ってましたか!?
通常のダイニングチェアは男性の平均身長、約170センチに合わせて作られています。
なのでそもそも合う人のほうが少ないんです。
▫奥まで腰かけたことがない。
▫常に足を組んで座らないと椅子に座れない。
▫椅子に座っていて足がしびれる。
▫椅子でくつろいだことがない。
特に女性の方でこの様な思いをされていませんでしょうか?
これも椅子が男性の平均身長をもとに作られているので、
そもそも全員に合わないのが原因なんです。
でも、ご安心ください。
しっかり身長や体形、くつろぎ方などちゃんと合わせて椅子選びをすれば、
ゆっくり座ってくつろぐことができます。
本来椅子は心と体を休めることができるものなのです。
自分に合う椅子を選ぶための3つのポイント
ここでたなかじま家具店でご提案している3つのポイントをお伝えします!
①くつろぎ方と使い勝手に合わせて椅子の形状を選ぶ
②身長に合わせて、座面の高さを決める
③家族に合わせてテーブルの高さを決める
これらのポイントを意識して椅子を選ぶと自分に合った、心地よいマイチェアを見つけられると思います。
ポイント毎に説明をしていきます。
①くつろぎ方と使い勝手に合わせて椅子の形状を選ぶ
しっかりとくつろぐためには、体に負担をかけない座り方で座ることが必要です。
特に足がつかなかったり、体を丸めるような座り方や足を組んで座っている状態では、腰に負担をかけ、腰痛や肩こりの原因になってしまいます。その為、緊張せず力を抜いた時にもしっかり背中や腰を支えてくれる背もたれの椅子がおすすめです。
使い勝手別に椅子形状をお勧めすると、
・食事の後も椅子に座ってくつろぐ方は、アームチェアまたはハーフアームチェアが良いと思います。
晩酌やお茶を飲むときなどにも肘が置けて体をある程度ホールドしてくれるので、ゆったりできます。
・出入りが多い方は、ハーフアームチェアまたは肘なしの椅子が良いと思います。
アームチェアだと椅子を後ろに引く距離が増えてしまうので、使い勝手を考えるとあまり後ろに引かなくてもすぐに横から入れるような椅子が良いです。
②身長に合わせて、座面の高さを決める
①の中でも出てきたように、体の負担になる座り方の一つとして、腰をずらして座るということがあります。
この原因として足がしっかりつかないことが挙げられます。
足がつかないと、腰をずらして前のほうに体をスライドさせてしまったり、腰を丸めるような座り方をしたりと、立っている状態より2倍以上体に負担がかかっています。
それを防ぐためにも、足裏がペタッと着かないようでしたらちゃんと椅子の足をカットして、身長に合わせてあげれば解決します。
*この写真のようにたなかじま家具店では1枚1㎝の板を足元に敷いて、身長や体形に合わせ合っているか細かくチェックします。
③家族に合わせてテーブルの高さを決める
①と②で椅子が決まったら最後にテーブルの高さに合わせ最終的な微調整をします。
椅子の足をカットすればするほど、体感的なテーブルの高さは高くなってきます。
特にご主人様と奥様で身長差がかなりある方は、適正な高さが全然違ってくるので、どこに合わせるかは、将来的にどんな使い方をするかによって変わってきます。
・例えば、身長の高いご主人様がメインで、ダイニングテーブルで晩酌をよくしたり、お仕事をしたりと常に使っている状態であればテーブルの高さを高くしてやる必要があります。その代わり奥様にとっては食事の時やお茶の時に肘が上がってしまい多少つらくなってきます。その為テーブルを高くする場合、奥様は食事の後、ソファーやリビングなどでくつろぐスペースを設けた方が良いですね。
・次に、もしお子様がリビング学習で使う場合は、あまり低くしてしまうと使えなくなってきます。ダイニングテーブルで勉強するときの適正高さとしては約70~72㎝くらいがいいと思います。
・最後に身長が150㎝前後の奥様に合わせる場合は約68~70㎝くらいのダイニングテーブルで、椅子の足もカットしてあげた方が良いです。その様に調整をしてあげれば過ごしやすいと思います。
この様にどなたに合わせるかによって全然高さは変わってきます。
椅子単体で使えれば良いですが、テーブルとセットで使うことが多いので、椅子とテーブルの高さも合わせてチェックしてやることがより快適に過ごす第一歩になります。
家具、特に椅子は皆さまの人生においてとても大切なパートナーです。
一日の時間で考えても、
朝食を食べる時間。
コーヒーを飲む時間。
昼食、夕食。
仕事終わりのくつろぎの晩酌時間。
椅子はたくさんの時を一緒に過ごします。
しかも、一番身近で、一番体を支えてくれる、言わば相棒の様な存在です。
人間一人ひとり個性があるように椅子にも色々な個性があります。
椅子にも座ってほしい座り方もあります。
それも踏まえて、もう一度。
自分が本当に満足した椅子を選んでいますでしょうか。
男性と女性で背の高さや体格、体形が違います。
それに合わせて椅子もそれぞれ違っていいと思います。
よく家具屋さんでテーブルと椅子セット売りしていますが、それは決して良いことではありません。
あくまでもその方が売りやすく、お勧めしやすいからその様にしているのであり、
本当に使う人のことを考えれば、
座る人の身長や体形、くつろぎ方を考え、その人に合わせた椅子をご提案するべきだと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
皆さまの心地よい快適な暮らしのためにこれからも頑張っていきます。
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家具コラム第10「心地よいインテリアにとって【照明】は欠かせません」
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家具コラム第4「名作椅子たる所以~ハンス・J・ウェグナー:PP58、PP68~」
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この記事の監修者
たなかじま家具店 田中島一仁
*家具屋の3代目として生まれる。
大学卒業後ハウスメーカーの営業として、人と住まいに関わる中で家具の魅力を再発見する。
旭川高等技術専門学院で2年間家具づくりを学んだ後、匠工芸で家具製作に携わる。
《たなかじま家具店》に入社後、人に最も近い存在である、家具・インテリアを通して《暮らしの幸せ》を提案している。
家具選びのアドバイス、オーダー家具の設計だけでなく、長く快適に使い続けるためのメンテナンスに力を入れている。
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